ジャーニーマン( @beajourneyman )です。
皆さんが日々の業務や店舗の状況など様々なデータを「見える化」をされる時に、 どんな考え方(哲学)で「見える化」を進められていますか? セルフサービスBIツール「Tableau(タブロー)」を題材に、どのような考え方(哲学)で生まれたか、誰が生み出したのかを紐解きながら、もたらされる価値(バリュー)について筆者の経験を元に掘り下げてご紹介します。
このエントリーを書く背景
その理由をお伝えするにあたり、自分と「見える化」の関わりを簡単にご紹介します。
長年、お客様の情報システム部門の立場で、IT化のご支援をする現場担当をしておりました。その中で「見える化」を進めるプロジェクトに関わり、起案、予算化からエンドユーザ教育、その後の運用を含め全フェーズを経験しました。そのプロジェクトで「エンドユーザーコンピューティン グ」「セルフサービス」を実現できたことが、このエントリーを書こうと考えた背景の一つです。
「Tableau(タブロー)」との出会いは数年前です。前述のプロジェクト経験から「Tableau (タブロー)」に関心を持っており、業務で携われる機会があればチャレンジしたいと頭の片隅で考えていました。数年半前そのチャンスが訪れました。幸運にも触る機会に恵まれ、実際のツールを使いながら、認定資格の取得にもチャレンジすることができました。
毎日毎日ツールを触ることで変化がありました。セルフサービスBI「Tableau(タ ブロー)」のファンになったのです。皆さんにも触っていると楽しいソリューションがあれば、その感覚がお判りいただけるのではないでしょうか? 本エントリーを通して「Tableau(タブロー)」を知っていただけると幸いです。
誰が生み出したのか?
「Tableau(タブロー)」はスタンフォード大学の研究で繋がった3人の創業メンバーによって生み出されました。大学のコンピュータサイエンス部門で要素技術の研究開発を進めていた Chris Stolte (クリス・ストルテ) と Pat Hanrahan (パット・ハンラハン)、そして、コンサルティング会社のデータアナリスト出身の Christian Chabot "クリスチャン・シャボー) です。彼らは大学でデータベースやデータキューブ(多次元のデータ集合)の視覚化について技術的な研究をしていました。
長年の研究の成果として、データベース問合せ(照会)言語とグラフィック描画技術を組み合わせた VizQL (Visual Query Language) と呼ばれるデータを視覚化する視覚的問合せ(照会)言語が発明されました。その成果が視覚的かつ直感的にデータと対話するコア技術となり、セルフサービス型データ分析ツール Tableau Desktop が誕生しました。2005年のことです。
Pixarの設立メンバーだった Pat Hanrahan (パット・ハンラハン) はこう語っています。筆者がVizQLを視覚的問合せ(照会)言語と訳している理由であり、好きな言葉の一つです。
私たちは質問に答える画像を作成しています。そしてそれは自分たちのデータについて知りた いと考えている企業のために行っています。
どのような考え方(哲学)で生まれたか?
「Tableau(タブロー)」のシンプルなミッションを引用したいと思います。
お客様がデータを見て理解できるように支援する。
この言葉の背景にどんな考え方(哲学)が宿っているのでしょうか?
ビジネスの現場では正しい判断を短い時間でタイムリーに行うニーズがあります。そのためには複雑化し増え続けるデータを理解することが欠かせません。前者はよりスピーディーに後者はより難解に、相反して先鋭化する2つの方向を1つに統合する方法が「見える化」ではないでしょうか?
IoTや画像・動画の機械学習によるデータ化で情報ソース(データソース)が飛躍的に増大している現在、データから洞察(インサイト)を得る手段を手に入れることは、競争力の源になるのはないでしょうか? 手段の一つがこの「Tableau(タブロー)」です。
"「Tableau(タブロー)」はセルフサービス型の分析ツールである。"
これは極めて重要なポイントです。掘り下げるにあたり、前項「なぜこのエントリーを書くのか?」でご紹介した筆者の経験をお話しします。筆者はセルフサービス型「見える化」基盤の教育経験があります。その基盤は、経営レベルのラインメンバから現場の事務職の方までほぼ全てのビジネスパーソンが使いこなせることを前提に構築・教育することがビジネス上の必須要件でした。教育の結果、稼働後1ヶ月あまりでエンドユーザが作成したダッシュボード数は3桁に達していました。この事実が意味することをひと言でお伝えします。
それは言わば "データ分析の民主化" というものでした。
その価値(バリュー)ついて考える
民主化の主人公は誰でしょうか? 本エントリーをご覧いただいているあなたです。
ビジネスの現場にいる全ての方が、ツールを通してデータがから得た気づきから成果を生み出すために活用できる、それが目指す世界です。
前述のプロジェクト当時は、今ほど直感的で視覚的効果の優れたツールはコンピューティングパワーの問題もあり、世の中に存在していませんでした。今は違います。「Tableau (タブロー)」があります。優れたデスクトップユーザーインターフェースでスピーディーでダイレクトな操作、そして人間の認知を科学して導き出された視覚化が実現しています。
再び自分の経験から得た気づきをご紹介して終えたいと思います。筆者が「見える化」基盤をサービスインした時にはなかった3桁のダッシュボード、それらを具に見て行きました。その 体験は想定を超えていました。基盤には、筆者のようなシステム開発会社の担当者が思いも寄らない観点で作られたダッシュボードが多数作られていました。従来のシステム開発要件をヒアリングし開発会社が作るスキームではとてもたどり着けない知見がダッシュボード化されていたのです。
"現場のことは現場の担当者が最も知っている" という事実を改めて実感した瞬間でした。
データ分析基盤やセルフサービスのツールを導入した際に得た気付きは以下の2本のエントリーでまとめています。是非ご覧ください。
<データ活用にとって大切な最初の一歩について>
https://qiita.com/beajourneyman/items/2465d60383d7851ebd3f
<Low-Code/No-Code なツールをユーザーに届けるために大事な2つのこと>
https://qiita.com/beajourneyman/items/d16f2edc9de9984cde26
最後に…
「Tableau(タブロー)」の哲学について掘り下げてきました。最後までお読みいただきありがとうございます。本エントリーが「Tableau(タブロー)」を少しでも身近に感じていただくきっかけになれば幸いです。
あなたの経験と知見を「見える化」して活かしませんか? より直感的で視覚的、かつ簡単に共有できる、皆さんがデータと"会話"できるようになると見えることがあります。その価値を是非体験してください。