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マネージャーに任命され300日やってみた感想 #カスタマーサクセス部長の日記

こんにちは。職業「戸倉彩」です。
2021年7月1日、カスタマーサクセス部のマネージャーに着任してから約300日が経過しました。今回は、その振り返りをnoteでまとめることにしました。今後、新たにマネージャー職にチャレンジしようとしている方のヒントや、一歩進めるきっかけにもなればと思います。

エンジニアのチームを率いるということ

これまでの約10年間、テクニカルエバンジェリストやデベロッパーアドボケイトとして、どちらかと言うとピン芸人のような単独の動きをする時間が多いエンジニア職の仕事をしてきました。2021年よりカスタマーサクセスに軸足を置きましたが、テクノロジーの価値や利用用途を実際に動くデモを構築して魅せるという手法を用いたりしながら、エンジニアの方々とのリレーションシップを深めたり、ビジネス案件のテクニカル支援を行なう活動などを行なっていました。また、数多くのセッション登壇やコミュニティやエンタープライズ向けハッカソンのメンターなども務め、実社会にいくつもの新たしいサービスやプロジェクトを世の中に生み出すことを推進してきました。

マネージャーになった瞬間から、メンバーやチームの管理を行いながら、結果を出すことが求められる役割を担うことになりました。個性豊かで得意技やバックグラウンドも異なるエンジニアが所属するチームを任せていただけることになったのです。(もちろん責任と覚悟を伴います。)

自分の中では、これまでも「エンジニアの幸福度を高め、イノベーションを生む文化を醸成する」ことを自分の中でミッションに掲げて活動していたこともあり、今後はリーダーシップを発揮しながら、エンジニア仲間と遠くまで行こう!という強い意志と好奇心でスタートしました。

ここで最初に自分のマネジメントに関する一つの考えを共有しておくと、「コンピューターを相手にするのと、心のある人間を相手にするのはまったく異なる」ということです。マネージャーになってから、マネジメントに関する研修受講や書籍を読み始めましたが、毎日が学びで、毎日が実践です。エンジニア経験が豊富だからといって、必ずしもマネジメントスキルが優れているわけではないのです。

うまくいったこと

自分の中で、うまくいったと自己評価していることを3つ挙げてみました。

  1. マネージャーのオンボーディング
    所属している企業では、さまざまなマネージャー研修に加えて新米マネージャーを支える仕組みが充実していたこともあり、安心してスタートを切ることができました。元上司や現上司からは、言葉で表せないくらい応援いただき、「一人ではない」ことが実感できることは心の支えになりました。

  2. 周りサポートやフィードバックを受け入れる
    素晴らしいチームメンバーや上司に恵まれたことで、「会話する時間」や「フィードバック」をもらうことができ、新しいアイディアや考え方を発見する機会に繋がりました。社内には感謝をきちんと言葉や文字にする仕組みとして「Bluepoint」というものがあることで、お礼やメッセージを贈り合う習慣を取り入れることができた点も良かったなと感じています。

  3. 時間の使い方を変える
    自分の役割が変わったことで、カレンダーに入れる内容も大幅に見直しました。メンバーとの1on1やチームミーティングなど、メンバーとの予定は優先順位を高く設定し、「振り返りの時間」を確保しました。リズムを掴みながら、アジャイルに取り組みたいことを進めるために、カレンダーの機能で分類色分けしたり、GitHubやTrelloなど目的別に細かいタスク管理を行なっています。

やってよかったと感じたこと

  1. メンバーの成長を実感できる
    誰よりもメンバーの成長を願い、信頼し、見ているからこそ、小さな成功も大きな成功も共に喜べることに幸せを感じられます。マネジメントの醍醐味であり、面白さでもあることを実感しました。

  2. 組織を変えることに関与できる
    チーム全体を俯瞰して見ることができるようになったため、テクニカルなバグに加えて仕組み上のバグや、改善の余地がありそうなことを探しやすく、問題解決能力と鍛えることができます。また、関連部署との連携や、マネージャー間での交流が増えたことで、いろいろな物事を乗り越えるための新たな提案や相談がしやすくなりました。

  3. 周りからより多くの信頼やサポートを得ながらDevRelを推進できる
    所属している企業では、コミュニティ活動や技術への貢献を行なっているマネージャー陣が所属していることもあり、自分もこれまでやってきたことをまったくのゼロにすることなく、ニーズや今の自分のスタイルに合った活動を継続することができています。エバンジェリストやアドボケイト時代に、ビジネスの理解度や寄与度について周りの方々から指摘されたことが何度もありましたが、カスタマーサクセスのチームのマネジメントを通じてチームメンバーが担当しているビジネス案件を把握しながら、メンバーと一緒に案件ベースもしくはコミュニティベースでDevRelを推し進めることができる点では楽しみが増えました。

難しいと感じたこと

マネージャー職を初めて経験する自分にとって、役割が変わったことを理解し、頭の中で切り替えたつもりでも、行動がついてこれないこともたくさんありました。慣れないうちは、「自分でやってしまったほうが早い」という考えを捨て、メンバーに任せる勇気が必要でした。メンバーにセッション登壇やハンズオン講師の機会を提供し、さまざまな業務を託すことにより、チームメンバーを育成することは、会社の成長のためにも必要不可欠です。

マネージャーは、メンバーの活躍の場を奪ってはいけない

職業「戸倉彩」

また、エンジニアの視点で軽くアドバイスを伝えたつもりでも、立場が変わったことにより、メンバーにとっては業務命令に受け取られてしまうケースもあるため、伝えるタイミングや伝え方は工夫する必要性を感じました。ここは引き続き、語彙力も高めながらコミュニケーション能力を高めていくことで改善していきたいと考えています。

他にも「スピーディーな意思決定」「物事の本質を見極めるスキル」「ステータスや成果を可視化するためのレポート」などなど、マネジメントに求められるスキルは幅が広く、自分だけではなくチーム全体を見ながら仕事を進めることは決して容易ではないことを痛感しました。

想像以上にやりがいのある仕事だった

マネージャーに転身してから、「技術」と向き合う時間よりも「技術と向き合っている一人一人の人間」と向き合う時間がとても重要であることを実感ました。それは、誰かのエンジニア人生に関与しながら、IT業界において5年、10年、20年先の未来を創りながら、技術の発展にも貢献していくことに繋がっていると信じています。

まだまだ道半ばではありますが、引き続きソーシャルなどでエンジニアのチームをリードされている方々との繋がりも幅広に増やしながら、これからもあらゆるかたちでいろいろ挑戦し続けたいと思います。

EoF


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