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Ubuntu Server 22.04 LTS を netboot.xyz でインストールする方法

Last updated at Posted at 2022-05-01

概要

さくらのクラウドで、 netboot.xyz ISO イメージを使い、Ubuntu 22.04 LTS を比較的手軽にセットアップする手順をまとめました。

netboot.xyz を使う理由

2022年4月にリリースされた Ubuntu 22.04 LTS (Jammy Jellyfish) を使うには、さくらのクラウド上では現時点ではパブリックアーカイブが提供されていないため、ISO イメージ機能 を使ったインストールが必要です(さくらのクラウドの「サーバ」では CD-ROM を扱うように、ISO イメージを取り付けたり取り外したりする機能があります)。

この ISO イメージ機能を使うには、手元の PC 上に ISO イメージをダウンロードするか、あるいは、どこかのサーバ上に ISO イメージの準備が必要です。さらに、さくらのクラウドの ISO イメージにアップロードする必要があります。

ISO イメージをネット上で探し出し、入手するだけでも手間となるのですが、回線状況によっては、ダウンロードやアップロードだけでも時間がかかってしまいます。

この面倒さを回避できるのが netboot.xyz です。netboot.xyz を使えば、ネットワーク経由で任意の Linux ディストリビューションや FreeBSD の ISO イメージをダウンロードできるだけでなく、ダウンロードした ISO イメージをメモリ空間上にマウントするため、そのまま OS のインストーラーの起動やセットアップ作業が行えます(一方で、セットアップ時の注意点として、 OS のインストーラーが必要とするメモリの確保が必要です)。

また、この netboot.xyz は、さくらのクラウドのパブリック ISO として登録されています。自分で netboot.xyz の ISO を準備することなく、すぐに利用できる利点があります。

なお、本記事は Ubuntu Server 22.04 をインストールしていていますが、netboot.xyz を使えば、AlmaLinux や Rockly Linux 等々の 67 ものディストリビューションや、その他ツール類のセットアップができます( FAQ を参照ください)。

Ubuntu Server 22.04 LTS インストール手順

サーバに netboot.xyz の ISO イメージを付けて新規作成

まず、サーバを作成します。さくらのクラウド(IaaS) のメニュー「サーバ」をクリックし、「追加」ボタンをクリックします。

image.png

次に「シンプルモード」にチェックが入っている場合は、クリックしてチェックを外します。チェックが外れていれば、今回使いたい「ISOイメージ」を使ったサーバの起動が可能です。

firefox_riJ5d333qm.gif

次に、「サーバプラン」の「仮想コア」と「メモリ」を設定します。仮想コアは1つでも動きます。 メモリは、3GB 以上 必要です。

image.png

(2GB 以下では、Ubuntu 22.04 LTS のインストーラーが Out of memoryLoad AppArmor profiles managed internally by snapd. の途中で止まり、インストールできません)。

なお、ここで指定したメモリは、セットアップ後に「プラン変更」機能で変更できます。

それから、画面をスクロールし、「ディスク」の設定を netboot.xyz 経由で起動する設定にします。

  • ディスクソース…「 ブランク(空のディスク)
  • ディスクサイズ…デフォルトは 20GB ですが、必要に応じて容量を変更できます
  • ISO イメージを使う…「 netboot.xyz 」を選択

netboot.gif

それから、さらに画面を下にスクロールし、「サーバ名」(コントロールパネル上で表示される名前)に「ubuntu」などを入力し、右下の「作成」ボタンをクリックし、確認画面でも「作成」をクリックます。

server-boot.gif

あとは、サーバが作成されるまで待ちます。ステータスがすべて成功となれば、「閉じる」をクリックします。

image.png

netboot の起動と Ubuntu Server 22.04 の選択

サーバ一覧に、作成したサーバが表示されます(この例では「ubuntu」)。対象サーバをダブルクリックし、メニュー上の「コンソール」タブをクリックします。

console.gif

コンソール画面上の黒い部分をマウスでクリックします(クリックしないと、キーボードからの入力を受け付けません)。

それから、キーボードのカールキーを使って、以下の項目にカーソルをあわせ、エンターキーを押します。

1.「 Linux Network Installs (64-bit)
2.「 Ubuntu
3.「 Ubuntu S22.04 LTS Jammy Jellyfish
4.「 Install

ubuntu1.gif

それから、ネットワークを経由して ISO イメージのダウンロードが始まります。

image.png

Ubuntu のインストーラー画面が出るまで待ちます。ISO のネット経由ダウンロードは約2分、 Load AppArmor profiles managed internally by snapd の処理でも2分ほど固まっているかのように見えますが、そのまま待ちます(ここで一旦、休憩にされてはいかがでしょう)。

暫く待つと、下図のようにインストーラーが起動します。この画面がでたら、通常の Ubuntu 22.04 LTS の設定手順と変わりません。

image.png

ちなみに、この画面で「Alt+F2」で tty2 に切り替え、Ubuntu Server 22.04 のコマンド操作も行えます。これは、メモリ容量を確認している様子。元に戻るには「Alt+F1」です。

image.png

Ubuntu Server のセットアップ

以降は、インストーラーでの操作手順を紹介します。

インストーラーの言語選択「Use UP, DOWN and ENTER keys to select your language」では、「English」を選びます(エンターキーを入力)。

image.png

次に、キーボードレイアウトの選択です 「English」 のままか、日本語キーボードの場合は Layout: を「Japanese」にします。

カーソルキーの上下、もしくはタブキーでカーソルを「Done」に移し、エンターキーを押します(ブラウザの表示範囲が狭いと、コンソールの下が見えづらいかもしれません。画面を下にスクロールしたり、ポップアップ機能をお試しください)。

image.png

次の Choose type of install では、通常インストールか最小インストールかを選びます。この手順は「Ubuntu Server」にチェック(X印)が入ったまま「Done」をクリックします(もちろん、必要に応じて minimized でも構いません)。

image.png

次の Network connections では、そのまま「Done」を選びます。さくらのクラウドのサーバは DHCP 機能に対応しているため、自動的にサーバに割りあてられたパブリックの IP アドレスを認識します。また、スイッチ配下であれば、ここで IP アドレスを固定しても構いません。

image.png

次の Configure proxy では、プロキシ設定が必要な場合に記述します。さくらのクラウドのパブリック環境であれば、不要です。そのまま「Done」を選びます。

image.png

次の Configure Ubuntu archive mirror (ミラー選択)では、自動的に国内ミラーが参照されますので、そのまま「Done」を選びます。

image.png

その次の Guided storage configuration ではストレージ領域の設定です。この画面ではデフォルトの 20GB ディスク全体を使います。「Done」を選びます。

image.png

パーティションレイアウト確認も、問題無ければそのまま「Done」を選びます。

image.png

そして、ディスク内容をフォーマット(初期化)する確認画面では「Continue」を選びます。

image.png

その次の画面では、サーバ名、ユーザ名とパスワードを入力して、「Done」を選びます。

image.png

SSH Setup では、リモートから SSH で入るため「Install OpenSSH server」の列で「エンターキー」を押し「X」(チェック)を付けます。また、安全度を高めるために GitHub 等の公開鍵を設定することもできます。リモートからの作業前提であれば、ここで設定しておくと、セットアップ直後からサーバにすぐログインできるので便利です。下図では「Allow password authentication over SSH」のチェックも外れ、パスワード認証を許可していません。

image.png

SSH鍵を設定した場合、Confirm SSH Key で内容を確認し、「Yes」を選びます。

その次の Features Server Snaps とあり、必要があればここでパッケージのセットアップも可能です。必要があれば選択するか、あるいは、何も選択せずに「Done」を選びます。

image.png

あとは、インストールが始まります。完了するまで待ちます。

このような状態になれば、完了です。

image.png

また、netboot.xyz のパブリック ISO からインストールしている場合、この時点で ISO を取り外します。そうしないと、正常に終了できません。

chrome_E6Y0G9BvaO.gif

最後に「Reboot Now」を選択します。

image.png

あとは、再起動が終われば、セットアップが完了した Ubuntu Server 22.04 LTS が利用できます。

Enjoy!

参考資料・リファレンス

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